TaiTock(タイトック・体得)とは
TaiTock(タイトック・体得)は熟練者の技術を立体映像で記録し、初心者がMRゴーグルで立体的に見ることで技能を「体で覚える」ことができるようにしたサービスです。熟練者が一斉に定年を迎え大量離職する将来に備えることができ、タイムパフォーマンスを重視する若年者のニーズに応えることができます。
熟練者の技能をそのまま記録する
奥行きを記録できるRGBDカメラを複数台使うことで熟練者の手わざを立体的に記録します。この立体映像はボリュメトリックビデオと呼ばれるもので、2次元の映像に比べて見る人が見たい角度から見ることができる立体的な映像になります。ボリュメトリックビデオは、映像から3DCGを起こす方法と比べ、指先の微妙な角度や両手の位置関係などの熟練者の技をそのまま記録することができます。
香川調理製菓専門学校様でのTaiTock撮影風景
いつもの現場で撮影可能
立体映像の撮影にはカメラの位置関係の調整が重要となるため、予めカメラがセットされたスタジオでの撮影が基本になります。しかし、持ち運びが難しい装置類の操作を記録したい、技能を持っている人が移動することが困難などの課題があり、そして何よりいつもの仕事場でこそ最高の技能を発揮できると考え、TaiTockでは熟練者の仕事場に伺って撮影を行います。
記録した技能をMRゴーグルで再生
TaiTockは立体映像で記録した技能をMRゴーグルで見ることを推奨しています。これには二つの理由があり、一つは様々な角度から技能を見るときにMRゴーグルなら自然とのぞき込むことができるということ、もう一つは両手がフリーになるので実際に自分でも手を動かすことができることです。目の前に技能が表示されるので、自然に自分の手でなぞらえる動きをします。道具が必要な技能は、実際に道具を触りながら技能を再生することで、道具の使い方を「体得」することができるようになります。
熟練者の目の位置から見ることができる
「本当は全員に肩越しから見てもらいたい」熟練者が初心者に技能を教えるときに、なるべく自分が見ているものを見せたいと思うことがあります。しかし、生徒が多くて近くから見せられない。ピンポイントすぎて、一人ずつしか見せられない、など見せるのが難しい場合があります。そんなときTaiTockなら技能を記録した立体映像の熟練者の目の位置から見ることができるので、熟練者の目線を共有することができます。
3DCGを起こし直すよりも「そのまま」が伝わる
技能継承をVRやMRで行うアプリケーションの多くは、見本となる技能を3DCGでモデリングし、アニメーションをつけています。手順を伝えるにはその方が分かりやすい場合が多いですが、微妙な指の角度や手を置く位置などの情報はモデリングやアニメーション化の段階でどうしても削ぎ落されてしまいます。繰り返し繰り返し行うことによって磨かれてきた熟練者の技では、微妙な手や指の使い方こそが大事である場合が多いため、立体映像での撮影が最適です。
こんな技能を記録できます
指先の使い方が重要な調理や製菓。道具の使い方が肝となる伝統工芸。手の置き方が安全性と生産性に直結する旋盤や溶接などの作業など、技能が必要となるすべての産業でお使いいただけます。
制限
RGBDカメラの精度に限りがあるため、16mm以上の幅と高さがある対象物を推奨しています。対象範囲は60cm四方がはっきりキャプチャできる範囲です。また、金属などの反射するもの、ガラスなどの透明なものは奥行を測るための赤外線がうまく反射しないので撮影できません。反射物には時間が経つと自然気化するグレーのスプレーを塗布することで撮影できるようになります。
まとめ
立体映像を使った記録とMRゴーグルによる再生でこれまでになく深いレベルでの技能継承が行えるようになります。熟練者にとっては伝えたかったことが伝えられるようになり、初心者にとっては動画だけではいまいち理解できなかった部分が分かるようになり、さらに自分の手を動かすことで短時間で体で技能を身に付けられる、というメリットがあります。TaiTockでの技能継承をぜひご検討ください。